マシンスペック

KS-21

-The Vechile Driven by Will-


Powertrain / Drive

扱いやすい出力特性


KS-21では出力のコントロール性の向上とそれに伴う出力低下に対しての全体的な出力の向上を目標にして、最終減速比やエンジンの出力特性、吸排気圧損の低減などに焦点を置いた設計を行った。


・最終減速比の決定

リストリクタと4気筒エンジン特性より常用
回転域が5500∼10000回転であること、シフトロス低減のため,ストレートブレーキポイントでレブリミット(14500回転)以下であることなどの複数の要件から最終減速比を決定し、様々なセクションに対応できるセッティング性の向上を目指した。

・Torque Variance(TV)の低減

吸排気マニホールドはコーナーボトムから脱出に使用する5500~8000回転をターゲット回転域としてトルク分散の低減と平均トルクの向上を目標とし、エキゾーストプライマリー、セカンダリー、テール、インマニの順に寸法を決定した。これにより、トルクのバラつきを前年比40%近く低減した。

・安定的な燃料供給

コレクタタンク、吸出し口の位置を変更したことにより安定した燃料供給を可能にした。また、ドレンマウントの位置を下から横に変更したことやオイルパンの薄型化により燃料タンク、オイルパン共に低重心化を果たした。


Frame/Body

重量を維持し、剛性を向上

Frameはマシン全域にまたがるパーツであるため、重量と剛性が車両に与える影響は大きいです。
KS-21のFrameは、過渡領域での性能を向上させるため、初期応答性とヨーコントロールに焦点を置き前年マシンのKS-20からの重量増を抑えつつ、剛性の強化を目指した。


・レイアウトの見直し

サスペンション、ステアリングラック等の取り付け点の変更によりキャンバー/トー剛性の強化を達成した。横曲げ/ねじり剛性もそれぞれ20/10%の剛性強化を果たすことができた。

・ハブの剛性強化

昨年までの剛性不足の主要因がハブであることを解析によって特定した。剛性強化を念頭にサイズや目標走行距離に耐えうる設計を行い、フロントとリアで剛性が偏ることのないようアセンブリ全体での剛性統一を目指した。

・軽量化

剛性強化のために各部の重量が増加する中で、はたらく力が引張と圧縮のみで試験が行いやすいロッドを鉄から軽量なカーボンへと変更した。


Aero

Wind for Speed

今年のマシンのエアロは、「重心と空力中心の一致」をテーマにエアロバランスが車両重心と一致する設計を目指した。また、姿勢変化によるダウンフォースの変動を抑えることも目標とした。


・フロントウイング/ノーズ

搭載位置の見直しにより空力バランスを最適化、その上でサブフラップの角度変更によりダウンフォースを増大させた。また、フロントノーズにサイドフィンを加えてリアセクションのダウンフォースを増加させた。

・リアウイング

リアウィングの搭載位置を前年マシンよりも上部にし、風通りがよくなったことにより発生するダウンフォースが増大した。さらにリアウィングの剛性不足の解消のために二枚翼構造とした。

・冷却と後流の制御

昨年のマシンでは左右非対称なサイドポンツーンの形状があだとなり、空力性能に左右差が生じていた。KS-21では左右対称な形状としたため、左右ロール時の空力性能の左右差を30%削減した。


Driver Interface & Brakes

意のままのコントロール


KS-20のマシンにおける課題や大会後に行われたカースワップ、チームドライバーによるモックアップでのコメントを基に、正確・迅速・安定な操作を実現するコックピットの設計かつ操作系部品の操作反力と操作量の適切化を図った。


・正確に、速やかに認識できる計器

走行中において,ドライバーがすばやく確認できるように、計器類をステアリングホイール内の1か所にまとめた。また、ドライバーへの情報伝達方法も再考し点滅速度や点灯箇所を設計した。

・シフトチェンジの自動化

シフトチェンジがタイムに直結するアクセラレーションにおいて、KS-21ではオートシフターを取り入れることで最適な回転数でのシフトチェンジを実現し、タイム向上を図った。

・ドライバーを助けるシート

昨年のマシンでは高いGがかかる状況でシートのがたつきが発生しており、ドライバーのマシン制御に影響が起こっていた。そこでシートの材質、取付方法、形状を変更して外側荷重に対する剛性を高めて、ドライバーの横Gによる左右の振れを抑えた。

・操作しやすいペダル

ドライバーの膝角度、足首角度を測定し、ドライバーの足にフィットするように角度を決定。マスターシリンダーの配置を変更し、ペダル比を33%増加させるなどのドライバー操作に対しての最適化を行った。他にも、コース走行中にペダルから足が抜けないようペダルの側面にガイドを取り付ける等の工夫を行った。


Low Voltage Electronics & Data Acquisition

軽量化、信頼性、安全性


KS-21のマシン目標に基づいた設計を行い、CAN通信をはじめとする新技術を投入した。


・計器の搭載位置の自由化

KS-21では、ドライバーの視認性向上のためにステアリングにメーターを搭載した。従来の方法では、電極タイプのクイックリリースの極数に限りがあり、ステアリングにメーターを搭載することが不可能であった。そのためCANを用いることでメーターに必要な配線の数を大幅に減らし、ステアリングにメーターを搭載することへの課題を解決した。

・新しい変速システム

昨年搭載を成功させたエア式パドルシフトをさらに高性能化させるため、ブリッピングを検知してダウンシフトを行う「ブリッピングサポートシステム」、アクセラレーションにおいては、前輪につけた輪速センサーとエンジン回転数から最適な条件の際に自動でシフトアップを行う「オートシフト」を新たに導入した。